スーツの後ろ姿は重要!フックベントとは?

公開日:2023年3月28日 / 更新日:2024年10月3日

スーツをビシッと決めるには、ベントがカギを握ります。

一口にベントと言えど、センターベントやフックベント、サイドベントなど様々な種類があり、どれがいいのか迷ってしまいます。
そもそもスーツやジャケットに詳しくなければ、ベントって何?と思う方も少なくないでしょう。

そこで今回はジャケットのベントについて、詳しくご紹介していきます。
普段からスーツを着用する方や自分に似合うフックを探したい方は参考にしてみてくださいね。

ベントとは?

ベントとは、ジャケットの後ろ側にある縦に入った切れ込み・スリットのことです。
ジャケットやスーツ購入時、ベントはしつけ糸で結ばれています。

後ろ姿の印象を大きく左右するもので、「穴」「通気口」という意味合いがあります。

仮に引っかかっても裂けにくい効果があり、見た目はもちろん、実用性が高いのも特徴的です。

センターベント

センターベントとは、その名の通り、背中の中心部分に1本切り込みが入ったスタイルです。

別名「馬乗り」とも呼ばれています。かつて乗馬をする際に、窮屈になるのを防ぐために、裾を切って乗りやすくしたのが由来です。

センターベントは「きちんと感がある」「すっきりとした印象」をもたらすことができます。
1本のみの切り込みでシンプルな分、スタイリッシュに決めてくれるのです。腰回りをすっきりさせてみせたい、腰回りの体型が気になるという方は特におすすめ。

最近のジャケットはこのセンターベントを取り入れているタイプが多く、ベントで迷ったときにはセンターベントを選んでおくと間違いないでしょう。
ビジネスシーンでも馴染みの多い種類です。

サイドベンツ

サイドベンツとは、左右それぞれ1本ずつ、合計2箇所切り込みが入ったスタイルです。

別名「剣吊り」とも呼ばれています。かつて剣は腰部分に携帯するのが一般的でしたが、取り出すときに裾が邪魔になることが懸念点でした。そこで両サイドに切り込みを入れることで、より動作を軽くする目的があります。

動きやすさはセンターベントと同じですが、センターベントよりもより服の動きが出やすいのが特徴。

また、サイドに切り込みがあることで、足の付け根まで見え、スタイルアップもアシストしてくれます。
お尻・腰回りの肉付きが標準より多めの方やスタイルアップを狙いたい方などにはおすすめの種類です。

英国調の雰囲気を醸し出すことから、クラシカルな印象が好みの方やエレガントに着こなしたい方にもぴったり。

ノーベント

ノーベントとは、その名の通り、どこにも切り込みが入っていないスタイルです。

冠婚葬祭やフォーマルシーンで取り扱われることが多く、反対にビジネスシーンではあまり見かけることはないでしょう。

ノーベントは日常生活では馴染みのない系統ではあるものの、歴史自体は最も古く、タキシードなどでも活用されています。

切り込みが入っていないからこそ、後ろ姿に少々寂しさを感じますが、運動量が少ないシーンでの利用がおすすめ。

クラシカルな印象をモチーフにしたスーツブランドでも取り入れられる機会が多いスタイルで、ドレッシーで上品さが演出できます。

フックベント

フックベントとは、センターベントの種類の1つで、ディテールのことを指します。

切り込みのふもと部分がステッチを用いたカギ型になっており、引っかかっても裂けにくい作りになっているのが特徴的です。

アメリカントラッドとしても有名なデザインで、一般的なスーツ・ジャケットでは取り入れられておらず、オーダースーツでさりげなく取り入れる方が多いようです。

また、モーニングといった礼装でよく見受けられます。

ベントにもこだわりを持ちたい・人とは違うジャケットに仕上げたいという方にはフックベントを活用するのもおすすめです。

ボックスベンツ

ボックスベンツとは、フックベントと同様、センターベントやフックベントに類似した切り込み手法の一つです。

別名「逆ひだ」「拝みヒダ」といった呼ばれ方もします。

切り込みのある場所はセンターベントのように、背中の中心部分ですが、切り込みのヒダ同士が重なりあっている状態のことを指します。

一見開きのないようなスタイルに見えますが、ベント部分に動きがあればひらひらと開くので、きちんと感があるのに動きやすいのが特徴です。

切り込みの深さも選ぶことができ、ベントはあまりカッコつけ過ぎたくないという方にもナチュラル志向な方にもおすすめ。

スーツの後ろ姿が重要な理由

スーツの後ろ姿の印象を決めるベントですが、実際にはどのようにして選べばよいのか、ベント以外とのバランス等もしっかりおさえておきたいものです。

スーツの後ろ姿が重要な理由は以下の2つです。

  • ベントの選び方とコツ
  • スーツの着丈もチェック

ベントの選び方とコツ

ベントにはビジネスシーンにおすすめなスタイル、冠婚葬祭などフォーマルなイベントシーンにおすすめなスタイルなど、ベント一つで与える印象も仕上がりの特徴も異なります。

印象で選ぶのであれば下記です。

  • センターベント:すっきりかつスタイリッシュ
  • サイドベンツ:エレガントで威厳のある雰囲気
  • ノーベント:とにかくきちんと感・フォーマル◎
  • フックベント:さりげないおしゃれ
  • ボックスベンツ:さりげないおしゃれ

上記のように雰囲気・与える印象でどのベントにするか決めるのも手です。

また、機能性で選びたいのであれば、下記を参考にしてみてください。

  • センターベント:動きやすく、定番スタイル
  • サイドベンツ:動きやすく、シルエット重視
  • ノーベント:動きにくく、ビジネスシーンでは少な目
  • フックベント:動きやすく、おしゃれ重視
  • ボックスベンツ:動きやすく、おしゃれ重視

フックベントやボックスベンツなどは、センターベントのディテールにあたる装飾なので、機能性はそのままにおしゃれも楽しむことができます。

デフォルトのスーツ・ジャケットでは施されていないケースが多く、オーダースーツらしい作りとも言えるでしょう。

ビジネスシーンで選ばれるのはセンターベントもしくはサイドベンツが多い傾向にあります。
これらはジャケットの可動域を広げてくれるので、仕事中でも快適に過ごせたり、動きに制限がなかったりするからです。

どのようなシーンで着用するのか、どのような効果を期待したいのかなどで総合的に選ぶとよいでしょう。

下記の記事では、スーツの素材を解説しています。素材を知ることで、自分に合ったスーツやシーンに合わせたスーツ選びができるかもしれません。
合わせてご覧ください。

関連記事>>ビキューナ、カシミア、ベビーカシミア。世界の高級繊維と、ウールのこと

スーツの着丈もチェック

ジャケットやスーツを選ぶとき、ベントも選ぶ要素の一つかもしれませんが、スーツそのものの着丈もキレイに着用するためにおさえておきたいポイントです。

着丈が短かったり、サイズが小さかったりする場合、胸まわりが窮屈になり、ジャケットが引き上げられ、背中部分にもゆとりがなくなるためシワの原因になります。

シワの原因はジャケットのサイズ感もありますが、中にはインナーに着ているシャツのサイズが合っていないことから、あたってジャケットにシワが浮き出るケースも。
インナーのシャツもしくはジャケットそのもののツキジワが気になるときは、サイズ感を疑ってみるとよいでしょう。

スーツのベントはジャケットを格別にさせる

今回はスーツ・ジャケットのベントについてご紹介してきました。

一口にベントと言えど、センターベントやサイドベンツなど、あらゆるタイプがあります。
ベントは正面からは見えないものですが、後ろ姿の顔ともなる重要なディテールです。
与える印象も違えば、醸し出す雰囲気、そして機能性も異なります。

スーツは取引先やクライアントといった相手ありきで使用することが多いため、自分のスタイルに合ったベントを選ぶことが大切です。

もしスーツやジャケットにツキジワや不具合が生じる場合は、着丈やサイズ感を見直してみるのも一つです。

自分に合うベントでジャケットを格上げしましょう。

クールヴェールではブランドを熟知したスタッフがスーツや革靴等、幅広いアイテムの高価買取を行っています。
スーツ買取りならクールヴェールへご相談ください。

この記事の監修者

監修者の写真

鈴木義彦

株式会社クール・ヴェール 代表

<学歴>

高卒!!(今でも大学への憧れあり。社会人枠を狙っている。)

<職歴>

1998年|SPA大手アパレル 新卒入社
暴力体制の無理やり販売するスタイルに共感できず2年で退社。

2000年|株式会社シップス アルバイト入社
メンズドレスを半年学ぶ。時給800円のカップラーメン生活に耐えられず退社。

2001年|アパレルコンサルティング会社 中途入社
社長の女癖の悪さを見かねて退社。給料の振込手数料を社員持ちにするセコさにも見かねて・・・。

2005年|アパレル会社の上司と株式会社〇〇の創業に携わる
共同出資にも関わらず、上司のお金の使い方がブラックボックス過ぎて信用できず退社。

2006年|株式会社クールヴェール創業
好きな洋服をバイ&セルする喜びを知り今に至る。自分の得意分野のメンズドレスの専門サイトを立ち上げ、一人ひとりのお客様に接する喜びを楽しみながら自らも店頭に立つ。

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