スーツの正しい持ち運び方5つと畳み方のポイント

荷物としてスーツを運ぶ際、かさばらないようにコンパクトに畳むか、シワにならないように吊るした状態で運ぶかで迷うかもしれません。スーツは型崩れをすると見栄えが悪くなってしまうので、丁寧に扱いたいですね。

ここでは、スーツを正しく持ち運ぶ5つの方法を中心に、スーツにシワをつけない畳み方のポイントやシワ汚れを防ぐための注意点を紹介します。普段スーツをあまり着用しないという方も、快適に持ち運ぶためにぜひチェックしてください。

スーツの持ち運び方5選

スーツの持ち運びは、スーツケース・ガーメントバッグ・スーツカバー・宅配便・着用していく方法の5つが挙げられます。

バッグやケースが手元になく、手で持っていけない場合は宅配便または着用を検討することになります。それぞれの詳しい方法も確認していきましょう。

方法①：スーツケースを使用

スーツを持ち運ぶ方法としては、柔らかい素材の鞄やバッグよりも型崩れしにくいスーツケースがおすすめです。スーツケースは外側が頑丈な「ハードキャリー（ケース）」であれば、中に入っているものがそのままの形状を保てます。

一般的にスーツケースの内側にはX型のベルトが付属しており、そこに折りたたんだスーツなどの衣類が挟めます。メッシュポケットやファスナーポケットが付いているタイプは、パッキング後のアイテムを中に収納するだけで型崩れを防ぐため便利です。

「ソフトキャリー（ケース）」と呼ばれているものも販売されています。こちらはナイロンなどの素材で作られておりハードタイプほどの硬さはありませんが、軽量で持ち運びがしやすく、価格もハードタイプより安いため普段使いに適しています。

中身が少なければハードキャリーが適していますが、しっかりと詰め込みたい場合はソフトキャリーも選択肢に入るでしょう。また、キャリーの運搬に頑丈で持ちやすい持ち手と車輪が付いているものもおすすめです。

下記の記事では、スーツケースを高価買取してもらうための方法について解説しています。あわせてご覧ください。
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方法②：ガーメントバッグを使用

スーツのみを運ぶためのアイテムとして、ガーメントバッグと呼ばれる衣類専用のバッグも活躍します。スーツやネクタイをハンガーに掛けた状態で軽く折りたたみ、そのまま持ち運べます。

パンツを先にガーメントバッグの中の専用ボードに巻きつけ、ケースに収納します。ハンガーにジャケットを掛け、腕とウエスト部分をそれぞれ折り曲げてからパンツの上に重ねるだけでバッグの形になり、ハンドル部分を持って持ち運べるようになります。

ハンガーごとスーツを折り曲げて畳めるタイプはさらにコンパクトに収納できるので、大荷物にしたくない場合に向いています。機内に持ち込む場合も、コンパクトなタイプのガーメントバッグを使用すると良いでしょう。

方法③：スーツカバーを使用

ガーメントバッグに似ている形状のスーツカバーは、薄手で軽量というメリットがあります。急な出張や就職活動、冠婚葬祭などにも活躍するアイテムで、持ち手がついたものはガーメントバッグ代わりに活用できます。

スーツカバーも基本的にはガーメントバッグと同じ要領で、スーツをハンガーに掛けた状態でカバー全体のファスナーを閉めます。そのまま下から折り返し、バッグの状態にして両脇のファスナーを閉めるときれいに折りたたんだ状態で持ち運べるようになります。

方法④：宅配便を利用

スーツを持ち運びたくない、または持ち運べないときは宅配便を利用する方法もおすすめです。会社によっては専用のハンガーボックスに掛けた状態で目的地まで送れるサービスもありますが、それ以外は通常の箱に折り畳んだ状態で梱包し、集荷してもらいます。

宅配便を使えば、スーツや衣類が複数枚必要な場合や、荷物が多くなってしまったときでもまとめて目的地に送付してもらえるため、自力で持ち運ぶ必要がありません。長期滞在のために衣類やバッグがいくつか必要という状況にも適しています。

ただし、宅配便は飛行機便のほかに船便や陸路が選ばれる場合もあるため、予定に間に合わないおそれがあります。スケジュールを確認し、ゆとりをもって発送を行うことをおすすめします。

方法⑤：着用していく

ガーメントバッグやスーツカバーがなく、キャリーにも入れられないスーツは直接着用していくことでシワが防げます。行き帰りの衣類として着用すれば、折り畳む手間がかかりません。

ただし、着用ジワが付くおそれや、食事などの際に汚れが付着するリスクはあります。その点を踏まえて、滞在先ではアイロンをかけてほこりを取り除き、きれいな状態を維持するようにしましょう。

スーツにシワを付けにくい畳み方

スーツはジャケット・パンツ・ワイシャツの3点それぞれに適した畳み方があります。適当に畳んでしまうと見える場所にシワがついてしまうため注意が必要です。詳しく畳み方のポイントをみていきましょう。

ジャケットの畳み方

ジャケットを表向きに平たい場所へ寝かせて、ボタンをすべて留めます。次にそのまま裏返し、肩のまん中あたりから内側に折り込みます。両方の肩を折って、スーツの丈の中央部分を下から上に折ります。

小さく折り畳まれた状態で、裏になっているので表に返します。

下記の記事では、スーツジャケットの正しい持ち方について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事＞＞スーツジャケットの正しい持ち方とは？シワにならずスマートに見せる方法

パンツの畳み方

パンツ（スラックス）は、足元などにシワがつかないようにきちんと折り畳みましょう。まず正面を向けて平たい場所に置き、シワを伸ばします。

次に中心から右か左のどちらかに折り、2本の足が1本になるようにします。次に、飛び出ている縫い目部分を折って、横から見たときのパンツがきれいな長方形になっていることを確認してください。

パンツ全体を3つに分け、上と下からそれぞれ3分の1の高さで折り重ねます。コンパクトな三つ折りの四角形になったら完成です。ジーンズのように丸めて収納するのは避けてください。

シャツの畳み方

シャツは洗濯やアイロンをかけてから30分以上干して余分な湿気を取り除きましょう。ジャケットと同じように正面を向けてボタンを留めた状態で平たい場所に置きます。次に裏返して肩のまん中から腕を内側に折り畳み、腕のつけ根をさらに返します。

両腕を同じように折り畳んだら、細長い長方形のような形になっています。裾から10cm上がった部分で、全体を折り返します。

次に、少し短くなった長方形を二つ折りにして正面に戻します。襟口が残った小さな四角形になっていることを確認して完成です。

スーツのシワや汚れを防ぐ3つのポイント

スーツをパリッとしたきれいな状態に保つためには、シワや汚れを防ぐ必要があります。シワ汚れを放置したままでいると、見た目が悪く使い古したような印象を与えてしまいます。

ここからは、スーツのシワ汚れを防ぐ3つのポイントについて紹介します。

ポイント①：長時間畳んだままにしない

スーツ類の保管や収納の基本は、ハンガーにかけて湿度や直射日光の当たらない場所に置くことです。畳んだ場合は、時間をおかずに元に戻してからハンガーに掛け直してください。

畳んだままの状態で放置していると、その部分はシワになってしまいます。シワを取り除くために何度もアイロンを掛けなければならないため、ケアの手間を省くためにもハンガーを使用しましょう。

移動中はキャリーケースやスーツケースを利用して持ち運ばなければなりませんが、滞在先に到着したあとはスーツをまず取り出してハンガーにかけましょう。また、車などハンガーがかけられる移動手段を利用する場合は、スーツだけでも取り出してハンガーにかけておくことをおすすめします。

ポイント②：飲み物・食べ物とは別にする

スーツ類は、シミになりやすい味のついた飲みもの、食べものとは必ず別の場所で保管してください。室内が狭く、干せる場所が限られているような場合でも、飲食物をスーツの近くに置くことは避けましょう。

スーツ類を干している場所の近くに飲み物や食べ物があると、臭いが立ち上ったときに衣類に付着し、生活臭として染み込むおそれもあります。

一度服についた臭いはなかなか自分では落とせませんし、クリーニングに出す手間もかかるため、衣類は衣類で専用の収納場所に保管してください。

ポイント③：雨に濡れないように注意する

スーツは他の衣類のように気軽に洗濯ができないため、雨に濡れないように注意しましょう。湿ってしまうことで雑菌・カビが発生しやすくなり、雨に含まれているほこりなども付着しやすくなるため、衛生的によくありません。

濡れてしまった状態を放置していると表面に凹凸ができる「パッカリング」の原因になるほか、着用ジワが取れにくくなる原因にもなります。スーツカバーなどのアイテムは防水タイプ、または撥水加工が施されているものを使用してください。

万が一スーツが雨に濡れたときは、水気をタオルのような吸水性のあるアイテムではたいて取り除きます。泥やほこりが水分に含まれている場合はすぐにタオルで拭くと繊維の奥に汚れが入り込むため、ある程度水分が飛んでからブラシで払い落とします。

雨やその他に関わらず、水濡れをしたあとのスーツは必ずハンガーに掛けてください。風通しの良いところで干し、スーツの前ボタンは開け放して内側の湿気も取り除きましょう。

スーツにシワができたときの対処方法

スーツにシワができてしまったときは、4つのプロセスでそれぞれ対処ができます。詳しい方法をチェックしていきましょう。

対処方法①：アイロンをかける

スーツを着用し続けていると、脇や膝など折れ曲がる部分を中心にシワが刻まれます。こまめにケアをしていても、着用回数が増えるほどシワは取れにくくなります。

アイロンは、洋服が水分を含んでいる状態でかけるようにしましょう。完全に乾いているとシワが伸びにくいため、深く取れにくいシワにはスチームアイロン、または後述する霧吹きなどを使って湿らせてから、シワ全体を平らにならすように伸ばしてください。

アイロンをかけるときは、シワのある部分だけではなく他の部分もきれいに広がるように、平らなアイロン台の上に広げておきます。手で事前にシワを伸ばしておき、その上からアイロンを押し当てて、重心を後ろに置きながら滑らせましょう。

アイロンをかけ終わったあとは熱や湿気が残っているので、すぐに折り畳んだりするのはNGです。スーツの場合はハンガーにかけて、ボタンなどは留めずに風通しの良い乾燥した場所へ収納してください。

対処方法②：霧吹きで水を吹きかける

スチームアイロンは水分を含ませながら熱を加えられるアイテムですが、手元にないときはアトマイザーなどの霧吹きに水を入れ、シワのある部分に吹きかけてからアイロンを押し当ててください。

水をかけすぎると逆に乾きが遅くなってしまうため、軽くシワの上だけを湿らせるのがポイントです。

対処方法③：シワ取りスプレーを使う

アイロン掛けの時間を短縮できるシワ取りスプレーは、頑固についたシワに吹きかけてからアイロンを掛けると、シワのない真っ直ぐな状態に戻しやすくなります。

シワ取りスプレーには繊維潤滑剤などの成分が含まれているため、水よりもシワ伸ばしに効果的です。

対処方法④：使用後のバスルームにつるす

アイロンを掛けられない場合や、霧吹き・シワ取りスプレーがない場合には使用後のバスルームにハンガーで吊るす方法もあります。

使用後のバスルームは適度な暖かさと湿気のある空間で、スーツの生地が水分を吸収しながら重力に従って下に伸ばされます。完全にきれいな状態にはならなくても、ある程度重さが加わってシワが伸びやすくなります。

正しい取り扱い方法をメンテナンスに活用しよう

今回は、スーツの正しい持ち運び方や畳み方について紹介しました。畳み方とあわせてアイロンの掛け方やコツなどもチェックしておくと、シワがついてしまったときに対処できるようになります。

霧吹きやシワ取りスプレーがすぐに用意できなくても、使用後のバスルームを活用する方法も効果的です。スーツの収納に適したキャリーケース、移動や旅行に便利なスーツカバーやガーメントバッグは、扱いやすいものを1つ用意しておくと良いでしょう。

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