スリーピーススーツとは？着こなし方やボタンの留め方

スーツには、さまざまなスタイルがありますが、その中でもスリーピーススーツをご存知でしょうか。

ジャケット・ベスト・パンツを同素材・同生地で仕上げたスーツのことで、おしゃれかつ紳士な印象を与えてくれると年々人気を集めているスタイルです。

普段からスーツを着用する方であれば、1着持っておくと便利かもしれません。

本記事ではそんなスリーピーススーツの特徴や歴史をはじめ、種類やボタンの留め方について解説します。

普段からスーツを着用する方やおしゃれなスーツをお探しの方はぜひ参考にしてみてくださいね。

スリーピーススーツとは

スリーピーススーツとは、ジャケット・ジレやベスト・パンツがセットになったスタイルのことです。

日本では昔からある系統で「三つ揃え」とも呼ばれています。

そのため伝統的で紳士的なイメージがあり、フォーマルシーンや結婚式といったシーンでも活用されているほどです。

一時期はきちんと感がありすぎることから、おやじ臭い・決めすぎていて逆にださいといった声もありましたが、クラシカルな服装が流行った現在では、街中で再びスリーピーススーツを見かける事も増えました。

ベストから見えるネクタイで胸元に立体感を与え、なおかつVネックがきちんとした中にもすっきり感を演出してくれます。

同生地だと重く見えがちですが、ベストとジャケットの長さの違いがあることで、脚が長く見える効果も期待できるのです。

下記の記事では、適した着用シーンでシングルスーツとダブルスーツの特徴を解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事＞＞シングルスーツとダブルスーツの特徴と着こなしのコツ

ジャケットのボタンは基本留めない

スリーピーススーツのジャケットの着方に迷う方もいるでしょうが、フロントボタンは基本的に留めなくて良いとされています。

スリーピーススーツはベストありきというところに理由があります。
ベストを着用していれば、ジャケットのフロントボタンは開けていてもマナー違反にはなりません。

なおベストのボタンは一番下以外、つけておくのがよいでしょう。
というのもスーツには「アンボタンマナー」と呼ばれる、一番下のボタンは留めない着こなし方のルールがあるからです。

ジャケットのボタンは基本的に留めなくてよく、中のベストにおいては一番下以外は留めると覚えておきましょう。

スリーピーススーツのメリット

スリーピーススーツを着用するメリットは下記です。

• こなれた雰囲気を演出できる
• 重ね着で防寒対策できる
• コーディネート次第でおしゃれを楽しめる

スリーピーススーツの歴史は深く、かつては格式高い紳士が着るものとされていたため、今でも上品かつクラシカルな仕上がりになります。

また通常のスーツはジャケットの中にはワイシャツを着用するのが一般的ですが、スリーピーススーツであればジャケットとワイシャツの間にベストを挟むので、防寒対策に一役買ってくれるのです。

反対に暑いときはジャケットを脱ぎ、ベストだけになることもできます。
ベストを着用することでワイシャツのときよりも、きちんとしている感が出せるのも特徴の一つです。

コーディネートを思う存分楽しみたいという方は、スリーピーススーツをそれぞれ単体使いし、ほかのアイテムと合わせて使うことで汎用性も広がります。

スリーピーススーツの歴史

スリーピーススーツの発祥の地は、ジェントルマンが数多くいることでも有名なイギリス（英国）です。イギリスはスリーピーススーツのみならず、そもそもスーツ発祥の地として名高い地域です。

17世紀～19世紀後半に誕生し、「衣服改革宣言」によって流通するようになったといわれています。

この世に生まれたのはかなり前ですが、スリーピーススーツはイギリスで今でも伝統的な着こなしとして定番です。

スリーピーススーツの種類

スリーピーススーツの種類は大きく分けて4つです。

• 襟なしシングルベスト
• 襟付きシングルベスト
• 襟なしダブルベスト
• 襟付きダブルベスト

ベスト1つで着こなしの印象を大きく変えるので、一つずつ見ていきましょう。

襟なしシングルベスト

スリーピーススーツ初心者の方や着こなし方がイマイチ分からないという方におすすめなのが「襟なしシングルベスト」です。

「襟なしシングルベスト」は通称「ベストシングル」と呼ばれ、最も一般的なスタイルといわれています。迷ったときはこちらを選んでおくと失敗しません。

襟がなく、胸元のV字がやや深めに作られているので、こだわりのネクタイもしっかり見えます。スリーピーススーツならではのクラシカルな雰囲気・上品な印象を与えてくれるでしょう。

ネクタイで遊べたり、タイトな見た目がおじさん臭くならず、若い世代からも人気です。

襟付きシングルベスト

ファッショナブルなスリーピーススーツを探している方やよりクラシカルに仕上げたいという方におすすめなのが「襟付きシングルベルト」です。

「襟付きシングルベルト」は通称「ラペルドベストシングル」と呼ばれており、折り返しの襟が特徴的。

襟なしに比べると胸元の厚みを演出するので、仕上がりにボリューム感が出ます。
またしっかりとした襟がダンディさを醸し出し、重厚感もあるため、若い世代よりかは人生経験豊富な40代以降のビジネスマンにおすすめです。

襟があることでたくましさや胸板の厚さをアシストし、男らしい仕上がりになります。
普段からスーツを着ている方やスリーピーススーツを着用したことがある方などにおすすめな上級者向けのスタイルです。

襟なしダブルベスト

人と被るのは嫌だ、個性ある着こなしをしたいという方におすすめなのが「襟なしダブルベスト」です。

「襟なしダブルベスト」は通称「ベストダブル」と呼ばれ、襟こそないものの、ボタン部分で特徴を出しています。

シングルベストには持ち合わせていないような個性があり、パッと目を引くデザインが魅力です。こちらも若い方には馴染みにくいスタイルで、不自然さが際立ってしまう可能性があります。

ただ前衛的なスーツを探している方やモードな雰囲気が好みという方にはおすすめです。

襟付きダブルベスト

今回ご紹介する中で、最も男性らしく、重厚感のある着こなしが叶うのが「襟付きダブルベスト」です。

クラシカルさやダンディズムといった男性ならではの落ち着いた魅力を演出することができます。

だからこそ若い世代の方が着るとどこか不自然な貫禄が出てしまい、着こなすのは少々難しいかもしれません。

襟なしのダブルベストよりも襟付きの方が胸元へのボリューム感があるため、着膨れする可能性もあります。

そんなときはできるだけすっきりとしたディテールのものを選ぶようにしましょう。

スリーピース～スーツのボタンの留め方

スリーピーススーツのボタンの留め方は「ジャケットのボタンは基本的に留めない」「ベストのボタンは一番下以外留めておく」がベストです。

前述したようにベストにおいて一番下のボタンをあえて留めないことは「アンボタンマナー」が由来とされています。

ジャケットのボタンは留めなくていいのかと疑問に思う方もいるでしょう。

スリーピーススーツを着用する上で、ジャケットのボタンを留めてしまうと着ぶくれにつながり、スーツそのものの見映えが劣ったり、シワの原因になったりするからです。

フォーマルなシーンで着用されることが多いスリーピーススーツだからこそ、ボタンの留め方も知っておきたいものです。

スリーピースを上手に着こなすための3つのポイント

ここからはスリーピーススーツをより上手に着こなすために、おさえておきたいポイントを3つご紹介します。

体のサイズに合わせる

スリーピーススーツはジャケットの中に、ベストやワイシャツ、ネクタイを合わせるなどレイヤードが多くなるので、体のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。

自分の体のサイズと合っているか確認するときは、肩幅・着丈・身幅・袖丈・ウエストをよくチェックします。

またそのほかにも、生地そのものの伸縮性も手で触れて確認します。

大事なシーンで着るものだからこそ、快適に着るためにもおさえておきましょう。

シャツの襟先デザインも確認する

スリーピーススーツに限らず、スーツを選ぶときはシャツの襟先デザインも、仕上がりの印象を決める大切な要素です。

あまりカジュアルなものを選んでしまうと、せっかく格式高いスリーピーススーツが台無し。

スリーピーススーツと合わせたときにきちんと感が出るものがベストです。

サスペンダーを使用してスマートに

せっかくスリーピーススーツで上半身をバシッと決めても、パンツのシルエットが悪いと残念な仕上がりになってしまいます。

サスペンダーを使用するとパンツのシルエットがキレイになり、スリーピーススーツも映えます。サスペンダーを日常使いしている方はなかなかいないでしょうが、スリーピーススーツであればサスペンダーをしていてもわかりません。

見えないところで見映えをよくする工夫も欠かせないですよね。

格式高いスリーピーススーツでワンランク上の紳士に

今回はイギリス生まれの格式高いスーツ「スリーピーススーツ」の歴史や特徴、種類についてご紹介してきました。

スリーピーススーツはジャケットを脱いでもベストがあるので、おしゃれに着こなすことができます。

また寒暖差にも対応しやすく、フォーマルシーンでも扱いやすいのが魅力です。

格式高いスリーピーススーツの着用マナーを知って、ワンランク上の紳士になりましょう。

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